【チラ裏】初心者向けバーチャルYouTuber基礎知識


 はじめまして。三文文士会ホームページ管理者のHP担といいます。 

いきなり性癖の話になるんですけど、VTuberがすごい好きなんです。バーチャルなYouTuberなんですけど。で、ホームページ担当を初めて賜ったとき、絶対にVTuberの話をしようと思ったんですね。絶対にVTuberの話をしようと思ったんですけど、新歓の広報をしないといけなかったので、ここまでしてこなかったんですね。

 で、秋の新歓も落ち着いていざ記事執筆という段階になって、じゃあ何を書けばいいんだ、と思ったんです。いきなり深めの事情についてお気持ち表明するべきか。それとも、VTuberは食べ物か?という人々の為に解説記事を書くべきか。その結果、やはり思うのは、VTuberを広報することが最も重要なのではないかと。そこで、単語集形式で、VTuberに関する単語をいくつか紹介したいと思います。順次追加するかもしれません。

 


バーチャルYouTuber (VTuber)

 もともとは『キズナアイ』がユーチューバーの中でもバーチャルな存在である自分を(「小学生ユーチューバー」「弁護士系ユーチューバー」といったように)バーチャルYouTuberと名乗ったことで誕生した言葉である。そのためかつては「YouTuberのうち、顔出しを一切せずCGアバターを使って活動する者の総称。」と説明すればよかったが、現在ではYouTube以外(Mirrativeやbilibili動画が好例)で活動する者も少なくない。現在ではかなり抽象的で広い概念を指す言葉にになっている。

 既に10000以上の配信者がおり、どう定義してもどこかしら例外が出るようになってしまうため、共通点としては

・2Dにせよ3DにせよCGのアバターを持っており、それを使って活動する。

・そのアバターが動く。フェイストラッキングやモーションキャプチャーを使い、頭、腕、表情など何かしらが動く。

・それを記録した動画を投稿したり、配信活動を行ったりする。

くらいしか上げられない。これでもたぶん例外が出る。

 

 現在のVTuber界のトップクラスのVTuberたちの傾向を見るに、ユーチューバー(企画動画の投稿が主体)というよりも、むしろニコ生主(ゲーム実況の配信が主体)の方が近いかもしれない。これはキズナアイ当時からそうだったわけではなく、潮流の変化である。 

 VTuber(ブイチューバー)はもともとバーチャルYouTuberの略語でしかなかったが、YouTube以外で活動する者も増えた現在ではYouTubeの名前を出さない、より汎用性の高い表現として使われることが多い。「ライバー」、「Vの者」、あるいは単純に「V」と呼ばれることもある。


企業勢と個人勢

 VTuberを分類する方法の一つ。特定の企業によって運営されるVTuberを「企業勢」、それとは逆に個人で活動しているVTuberを「個人勢」と呼ぶ。豊富な資金や技術力からクオリティの高い活動が見込まれる企業勢と、コンプライアンスや会社の規約に縛られない極めて自由度の高い活動が行える個人勢といったように、どちらにもそれぞれの良さがある。

 企業勢を運営する企業の多くはVTuber運営のみを行う(あるいはそれが主体の)会社だが、既存の企業がPRなどを目的としてVTuber業界に参入するケースも見られる。また、個人勢の中にも本当に一人で完結しているVTuberもいれば、集団によって運営されるVTuberもいる。個人勢に資金や技術の支援を行うことで、個人勢と企業勢の良さを両立させることをねらう企業も存在する。


動画勢と配信勢

VTuberを分類する方法の一つ。あらかじめ編集された動画を投稿することが活動の主体であるタイプを「動画勢」、配信を主体として活動するタイプを「配信勢」と呼ぶ。

VTuberがYouTuberの派生であることからもわかるが、かつては動画勢が主体だった。後述するVTuber四天王も基本的には動画勢である。しかし、編集の煩雑さや、リアルタイムであるという特性上視聴者との距離が近くなったり、編集された見どころよりも放送事故的な見どころの方がウケたり(もちろん笑えない事態になったりもしうるので諸刃の剣ではあるが)という側面、そして巨大企業勢であるにじさんじやホロライブが配信勢であること(より正確に言えば順序が逆で、動画勢メインだった時代に配信勢として活動が開始された両グループが台頭していったのである)もあって、VTuber全体の潮流として現在は配信勢が主流となっている。しかし、配信勢の飽和による新規参入の難しさや、短時間で視聴できる手軽さなど、動画勢もまた一定の勢力を維持している。もちろん動画勢が配信をしないかと言うとそうではないし、配信勢も歌ってみたなど動画を投稿する例はいくらでもあるので、あくまでも大雑把な分類と認識してほしい。


バ美肉

「バーチャル美少女に受肉」の略。中の人は男性だが外側のアバターは女性というタイプのVTuber全体を指す言葉。ようするにオカマである。ほとんどは個人勢。男声をそのまま出しているタイプと、何らかの方法で声を変えているタイプに大別され、前者の代表がバ美肉の祖である『ねこます(バーチャルのじゃロリ狐娘YouTuberおじさん)』(現在は引退している)で、後者の代表には女性VTuber顔負けの女子力を持つとされるおじさん『魔王マグロナ』を挙げたい。特にトップレベルの変声バ美肉はかなり自然な女声に近いクオリティーを持ち、中の人が男性なのを忘れることもある。好き嫌いが分かれるし率直に言って当たりはずれも大きいが、是非食わず嫌いせずに一度は触れてほしいジャンルでもある。


中の人

 VTuberを実際に動かす人。声の主。魂ともよばれる。反対にキャラクターとして前面に出されているアバターを外側あるいはガワという。VTuberは仮想上の存在であるガワに中の人たる人間が入ることで成立する。

 現在、特に配信勢VTuberにおいて中の人要素を含まないVTuberはごく一部を除いて存在しないと言っていい。

 触れるのが難しい概念だが、まず前提として、VTuberにはもともとそのガワだけが作られた段階で決められた設定が存在する。が、当然ながら中の人がそのガワに与えられた設定と全く同じ属性を持っているとは限らない。小学生VTuberの中の人が小学生であることの方が少ないだろうし、ショタ系VTuberの中の人はショタボの出せる女性であって本物のショタでないことばかりだ。エルフ系VTuberの中の人が本当にエルフということはない。みな人間である。バ美肉なんかは言わずもがなである。どんなにガワが美少女でも中の人は男性なのだ。

 そうなると、中の人を出さないよう十分に気を付けていたとしても、どうしても少しずつ齟齬が出てくる。異世界から配信しているはずのVTuberがマクドナルドの新作バーガーの話をしたり、清楚な女の子が突然エログロな話をしたり、高校生のはずなのに二日酔いで配信を休んだり、という風に。この乖離は、どう受け止めるべきなのだろうか?

 あまり細かいことに触れていくときりがないのでやめておくが、少なくともこのギャップはアニメのキャラクターや普通のYouTuberには起こりえないVTuberのみが持つ特性として、なんだかんだ好意的に受け取られていること(そして逆に、設定崩壊だとしてVTuberアンチが最も嫌っているところであること)は分かってほしい。この特性が少なからず現在のVTuberの隆盛に貢献したことは事実なのだ。


VTuber四天王

 黎明期に活躍し、VTuberがここまでの大流行を遂げるのに大きく貢献した5人のVTuberたち。かつてはチャンネル登録者数上位の5人としてこの言葉が使われていたが、現在では爆発的流行の原点となった5人の記念として用いられる単語。

 ・バーチャルYouTuberという言葉の生みの親でもある先駆者にして親分こと『キズナアイ』、

 ・清楚と物騒の両方を内包しVTuberの持つ二面性の原点となった『電脳少女シロ』、

 ・エゴサーチ力の高さや芸人気質から、距離が近く親しみやすいという側面を確立した『ミライアカリ』、

 ・男性でも、個人でもVTuberが出来ることを証明し新規参入のハードルをグッと下げた『ねこます』、

 ・陽のオーラとテンションの高さから爆発的人気を集めVTuberがバズる契機となった『輝夜月』の5人を指す。

 現在では当時と違い「VTuberであること」それ自体は売りとして成立しなくなり、またVTuber全体の潮流の変化により往時の影響力はない(どう贔屓目に見ても後続の波に飲まれ苦境にある)が、その功績がなければ現在のVTuber文化はなかったと言っていいだろう。


にじさんじ

 株式会社いちからが運営するVTuberグループ。現在100人超のVTuber(バーチャルライバーと呼ぶ)を抱える、企業勢の中でも飛びぬけた大規模集団。

 VTuberについてある程度知っていれば知らないはずもない超の字がつく有名ぶりを誇る。特に男性VTuberについては、他企業が男性VTuberを歌手やアイドルとしてデビューさせることが多いなかで女性バーチャルライバーと大差ない配信者としての男性バーチャルライバーを多数デビューさせたことで、男性VTuberのチャンネル登録者数ランキングの上位をほぼ独占するまでになった。男女ひっくるめたチャンネル登録者数ランキングでは120位までに19人の男性VTuberがいるが、そのうち16人がにじさんじの男性VTuberであると言えば、その一強っぷりがわかるだろう。

 同じく一大企業勢であるホロライブとは、配信者が前提という点が異なる。アイドル活動を前提とするあちらに対して、トーク力や超規模特有の人間関係をメインの武器としている。

 委員長こと『月ノ美兎』の圧倒的な先行人気で成り立っていると言われたり、ライバーを多数同時にデビューさせて粗製濫造と笑われたりと、かつては低い評価を受けてきたが、粗製濫造というレッテルを剥がしてなお余りある、面白さレベルの高くまとまったメンバーの連発から爆発的に地位を上げた。面白くない奴を見つける方が難しい全体の打点の高さは間違いなく界隈トップレベルで、現在のVTuber界を引っ張る一大勢力であることは疑う余地がない。

 最近では3D技術に全力を注いでおり、「技術のいちから」の名をほしいままにする。特にトラッキング技術においては、音ゲーをする指のように細かく動くもの、卓球のボールのように早く動くもの、ダンスのようにキレが求められるもの、大人数バンドのように同時に大量の処理が求められるものを高いレベルでバーチャル3D化するなど、業界初や世界最高水準をサラッと提供し、そのたびに3D技術界隈に話題を呼んでいる。


ホロライブ

 株式会社カバーが運営するVTuberグループ。40名弱ほどの女性VTuberで構成される。

 ホロスターズ、ホロライブ中国、ホロライブENとともに「ホロライブプロダクション」を構成する。こちらもにじさんじと共に現在のVTuber界の筆頭と言っていい有名グループの一つ。アイドル路線を掲げ、一貫して女性をデビューさせている。男性はホロスターズという別レーベルでデビューしている。こちらもアイドル路線を掲げており、異なるのは単純にメンバーの性別のみであるはずなのだが存在感が薄い。チャンネル登録者数的な意味で

 カバー社が製作した配信専用アプリで活動していた『ときのそら』というVTuberが起源であり、彼女のYouTube進出とその成功ののちにグループ化していった、要するに根っからの配信勢である。

 同じ大規模企業勢のにじさんじとはあくまでもアイドルであることを前提にしている点で異なり、当然全員が一定の歌唱力を持つ。

 歌というわかりやすさから英語圏をはじめとした海外人気も高く、YouTubeのチャンネル登録者数では他のどんな企業勢も寄せ付けない平均の高さを誇る。もちろん歌だけではなく性格や言動そのものの面白さレベルも高くまとまっているし、揺らぐことのない抜群の安定感を誇る。

 最近海外需要を見込みホロライブENを創設したが、これがとんでもない大当たりで、その中の『がうる・ぐら』はデビューから一か月もない間に登録者数75万、ランキングで全VTuber中6位にまで駆け上がり、キズナアイ以外の日本勢が2年もかけてなお成し遂げられていない100万の壁に猛スピードで攻略を仕掛けているなど、ホロライブENは今もっとも勢いのある勢力として注目されている。。


切り抜き

主に配信動画について、その配信の見所のみを第三者が厳選し、短い動画として投稿したもの。またはその行為自体を指す。

ほとんどの配信は短くてもだいたいは30分以上、長いと平気で10時間を超えてくる。スプラトゥーンを29時間ぶっ通しで(配信そのものは12時間が限度なため3つのパートに分かれてはいる)配信した例すらあるため、要するに余程の時間がないと追うことは難しい。そこで、見所のみを切り出した動画を見ることで、その代わりとしたり、あるいは知らないVTuberを知るきっかけになったりと、普及・知名度向上・新規開拓の上で大いに役立っているため、著作権的なサムシングを黙認してむしろ切り抜きの投稿・視聴を推奨するVTuberがほとんどである。切り抜く人も、人によって誰を切り抜くか・どこを切り抜くかなどに違いがあるため、切り抜く人自体にも一定のファンがいる場合もある。


スーパーチャットとメンバーシップ

 どちらも、VTuberを金銭的に支援する方法の一つ。どちらもYouTubeの機能であり、YouTubeに口座を登録しないとできない。VTuber特有のものではない。

 スーパーチャットは投げ銭と言えばわかりやすい。配信中にのみ送ることのできる金銭であり、コメントをつけることもできる。100円から50000円まで幅広い金額を一円単位で投げることが出来る。

 メンバーシップはプレミアム会員みたいなものである。月単位で会費(VTuberごとに値段設定は異なる)を支払い、配信者側はその見返りとしてメンバー限定の特別な配信をしたり、コメントに色がついたりする。メンバーになることで得られる特典は必ず全てメンバー登録する前に確認できなくてはならないし、メンバーでないことは何の負い目でもない。

 どちらもYouTube運営様の審査を通らないと使用できないほか、収益の3割はYouTube様がご徴収になる。また、メンバーシップについてはあえてそもそもメンバーという制度を作らないVTuberもいる。

 お財布と相談して楽しく応援しよう!