批評会録①「小さなまほうのはこ」

【HP担より】

新型コロナウイルス感染拡大にともなう課外活動の自粛要請を受け、当面の批評会は、Discordを用いたオンライン上でのものとなっています。今回の批評会は4月21日に行われたものです。

今回批評の対象となったみなと扇風機作「小さなまほうのはこ」は、こちらの「新入生向けサンプル」よりダウンロードできます。


『小さなまほうのはこ』(みなと扇風機)批評録

 

この作品は「与えられた特定のお題で書く」という冬号の企画によって生まれた作品です。

今回のお題は「童話」。作者自身の「批評しづらいかも」という言葉とは裏腹にかなりの量の批評が集まりました。

 

〈良かった点〉

現代風刺的な作品

 →現実にあるものに重要性があるというメッセージ

今の世の中に対する警鐘

文章の構成と内容の対称性良い

挿絵良し

ひらがな多めなのに、読みにくくない工夫

童話であることと内容の異物感が面白い

皮肉は充分に効いている

大人向けの童話という発想、面白い

アイフォンの描写をぼやかしているのはよかった

 

〈改善点〉

挿絵はロシア文学のようなものの方が映えたのでは

異物感は困惑にもつながる

童話の中で起こったことを繋げるのは読者にゆだねた方がいい

「虚しい」と思って「虚しい」といってしまっている

 →童話だからはっきり言った方がいいのかも

童話は万人に分かりやすいように作った方がいいのでは

 →万人向けを意識していなかった(作者)

 →子供向けに書かれたものであるため特に改善する必要はないのでは

後半のものもアイフォンのようにぼやかすとより良い

皮肉が強すぎて童話らしさが消えてしまっている

 →大人が読むときに童話であることが皮肉になってしまうから

童話にしては伝えたいことが前面に出すぎ

読者の想像できる部分が少ない

童話的な側面と俗世的側面との境界が曖昧で読み手によってどちらを取るか判断を異なるものとしてしまった

導入はもっとスムーズにした方が良い

作品に登場するものを知らないと楽しめない

 

〈作者〉

読み手を想像して書いた

 

自分としては新しい挑戦だった。