5月20日・24日 批評会

連投を続けております中の人です。

本批評会の議事録なのですが、この2回は本来の書記さんが取らずに中の人本人が記録してます。

なので、形式がだいぶ違いますが…許してね?

それじゃあ、早速行ってみましょう。

 

1.       小田たつえ「天気雨」

作者から

締め切り前の日曜日に見たエモい景色を基に書きました

長編が出せなかった代わりの作品

 

批評

520日≫

編集会で読んでなかった→こういうの書くんだっていう驚き

否な感じが薄い綺麗な作品

画面の再現としての上揃えと下揃え

最初のLINE→眠猫先生の時、工夫は認められる

チャット以外の部分の挿入方法→情報の出し方が、まとまりにくさが出がち

チャットでは、体言止めが多い

Q.結末について

狐フラグを回収できてなかった

最初の稲荷社の言及→女の返事が淡泊

→含みのある返しかが分かりづらい

→地の文とチャットの交互に行う中に、「頭の中」が突然見えなくなっているのが違和感

「書かないこと」「隠すこと」は違う

男の語りになる部分の文章量をもう少し

→心の揺らぎをより多くして、生々しさがあってもよかったのでは?

質問:特定地域や縁に伝わる「伝説」

→私の家族独特の言葉がある

 

面白かった

SNSの会話で、位置をずらすことによる話者の識別

最後について→余韻を残すことで面白みを深める

電車→丸の内線の五月蠅さ

「届かなくなっていた」→アナウンスが聞こえる矛盾→女性の超能力?ミス?

プリクラに映ってるのに、監視カメラに写ってない…?

(質問について)

中心部に住んでいて、あんまりない

気性が荒めの県民性

「土佐のおきゃく」「返盃」

秋田出身の母→「なまはげ」…「カミ」であり、年末の厄払いのシンボル

語源…豪雪地帯で、怠けた人の皮が剥けることから

 

③ストーリーが好き

いい雰囲気からの突然の別れ

最近の男女間の雰囲気がいい

天気雨→「狐の嫁入り」

稲荷社のフラグ→もう少し、狐の世界に言及が欲しかった

ペアリングの発見のシーン→男にはきつい終わり

女=狐なら、デート中のシーンなどで、後者の要素を追加してもよかったのでは?

連休明けの「人がガラガラ」→地域・あやかしのような原因があってもよかった?

より、雰囲気が高まる

『遠野物語』の死人を狐が操るように、童話的な動物だなと思った

ペアリング

男性がキツネかと思っていた

女性側の方だと気づいて、「結婚ごっこ」としてのデート

この感じでは、筆者の特定が難しかった→文体を変えられるのはすごい

(質問について)

素直な子が多く、地元のマスコットキャラクターに関する噂を言ったら全校に拡まった

脚色などを含めて広まった

 

最初の稲荷社→最後の最後でフラグ回収

デートの描写においては、伏線がない→妖狐の要素をもっと

2か月後→時間と視点の変更という大きな変化→注意喚起のために、アスタリスクマークなどで区別

(質問について)

ニュータウン地域のベッドタウン在住

永池公園→薬師如来と姫が身を投げた伝説

ラフカディオ・ハーンの『雪女』→青梅の由来

 

天気雨の意味・社→どんどん中心に近づいていける

女=狐の要素が少なかった

男の子を撫でる女の子のシーンが好き

謎多き人外娘ってよくね!?

(質問について)

地元の学校での「トイレの花子さん」以外中々聞かない

 

作者から

結末は「女=女狐」でした

狐は書きかけの時に追加したので、フラグが不足した原因はそこだと思う

SNSの表現は今後、改善していく点である

(質問について)

自分の家にも、家でしか通じない言葉がある(「にしょっこ」「がちゃ目の巣」)

 

524日≫

最後の展開→最初から判るけど、ハッピーエンドにならないのが何とも複雑

「稲荷社の女狐が化けられなくなった」?

「僕のせい」とは?

稲荷社の取り壊しを何もできなかったから?

最終的なふくらみを持たせた構成

オリジナリティーが少なく感じた→独自の感覚をもっと

 

長編中止の後のせい?→なぜ男目線にする必要があったのか?

後日談として捉えればいいのか?

最初の狐っぽい表現があったので、最後まで一貫させてもよかったのでは?

悠稀への手紙→男の感情を伝える以上、もう少し長くしてもよかったのでは?

(情景描写を追加するなどで……)

リングのシーン→「身につけてこその」と「置いて行かれたリング」が矛盾し、リングの扱い方が雑では?

プリクラのシーン→間が空いて「行く」としたところに陰キャ感があって好き

警察にまかせっきりな洋平はどうなのか?→描写を加えれば、より世界が広がる

(質問について)

宇都宮は空襲で有名→小学校の怪談で「日本兵」が良く出るのは、防空壕が多かったせいかと思った

夢で見た「風習」→成人するために、ファミコンのゲーム「コロタングル」を行わないと成人出来ない→キャラの名前が「80万円」など、奇妙な点が多い

彼女の家の隣で「霊」が出るの調査する夢→メガネが増殖する=「霊」

 

冒頭のLINE→誰が語っているかわかりやすいが、よりリアルにするためにスタンプなどの描写を加えてみてもいいのでは?

洋平は陽キャか陰キャか?→陰キャ

もし洋平が陽キャだったら?→「洋平が陰キャ」は必須条件だったのでは?

行動の確実性などが、陰キャ

何度も読ませる工夫

 

メッセージのやり取り→表現方法がいい

狐を連想させる描写→少しぼかした感じにしてあるのがいい

男のペアリングと手紙のラスト→余韻がある

ペアリング購入のシーン→女狐のフラグだったのか!

 

天気雨のタイトルが好き

Q.タイトルが先? 内容が先?

 

⑥着想は良い

もう少し「煮込んだ」状態にしてほしかった

陰キャ好みの理想の女性像の悠稀→正体が狐という

最後のページは急転直下なのに理解できる点は素晴らしい

落語かっていうぐらいの対話量

描写不足直接的な恋愛感情だけでなく、「にじみ出る」恋愛感情が欲しかった

会話シーンに挟めばよいのでは?

洋平が救われない感じがある→洋平が得たものを描写した方が良い

マイナスイメージの強い描写があり、プラスイメージの

SNSの表現→アイデアとしては良いが、読みづらい

長文のメッセージは適度に改行を

メッセージと外出の描写の差別化→よりはっきりと区別すべき

狐の嫁入りと天気雨を掛け合わせのは先生らしい

 

稲荷社の取り壊し→明確なフラグ

主人公が悠稀=女狐と気付かないで終わる

彼氏がこのフラグを回収して、もう少し進展してもよかったのでは?

女狐らしい描写はどこで入れられたか?→眠気と夜行性、ハイテク順応しきっているけど、実は不十分でない描写、人気がいないのが「狐の嫁入り」の影響だという表現など……

惜しい描写(店員との会話)があるものの、不十分さが

アイスココアがチョコレートで女狐(イヌ科)は飲めない

ぶつっと入ってくる心情描写→なだらかにすれば、より「普遍的テーマ」を面白くできる

 

23回読んで面白いと思った

構成はともかく、結末が最初は判らなかった

女=女狐の結末がもう少しあってもよかった

複数視点→不明瞭で、あとで気づいた

オチは好き

 

⑨人外の物語には、悲劇的な結末が多い

日本でも、中国でも例がある

→女狐のハッピーエンドを願った

(質問について)

夢の中でも理路整然とした奇妙な風習を見た

深層心理で「風習」が作られることがあるかも?

 

作者から

①「僕のせい」→悠稀が女狐と気づいてなくて、自分のせいかと自己嫌悪していた

②リングの「矛盾」→確かにそう、こうなると女狐さんが最低な人になる

②陰キャ感→私の作品のだいたいの登場人物は陰キャ

③「洋平=陰キャ」が必須条件→確かにそうですね

⑤タイトルが先?内容が先?→タイトルが先(モチーフの景色→ひねくれた感情で「あの女の子が女狐だったらな」と思って)

⑦アイスココアが飲めないのは使える

 

 

2.       星見童祭「登竜門(水生蜘蛛屋敷)

作者から

楽しみでひとこといっぱい用意してきた

頑張って作った作品

ペンネーム名義作品は初

→さまざまな設定を構築して、それを利用しつつ、しっかりと起承転結をつけた初の作品

自分が「星見童祭」になる登竜門としての作品

水上沙織の存在→自分が作った作品中で通らねばならない「登竜門」

過去の2作品(水上ストライダー→水散東雲)で彼女に挑んだが、完成できず

3度目の正直で挑む

世界観と用心棒・水上沙織の存在の密接なコネクトを目指した

2つ目の質問について

20日:「この作品の一番の問題である承・転が抜けているので、違和感を感じましたか? 感じている場合、その具体的な説明をお願いします」

24日:「3人称視点の不備があったら教えてください」

※なお、20日には「敢えて情報を伏せることが多かったのだが、不明瞭な点があったら教えてほしい」という質問を追加する

 

批評

520日≫

面白かった

波乱のある結末で終わる作品が好き

仕掛けも十分できている

.2の体言止め→早すぎて、後半の波乱で用いてもよかったのでは?

P.4→沈んだ船は使えないのでは?

水中で気絶したのに、とどめを刺す必要はあったのか?

海賊の船が座礁しないのが、ご都合主義みたいだった

(質問について)

I.        自シリーズのモチーフにもなった「となりのトトロ」のサツキとメイのお父さん

→人として良い

自作品のサブキャラ→ポジションがワンピースのサンジだが、性格は男はつらいよの寅さん

 

夜分にどうもね→作者の感覚を感じた

埼玉の雑誌→上記に同上

最後が急展開すぎる

海賊が唐突すぎる登場、ハリウッド的な内容に

前半に入れていてもよかったのでは?

アニメの意識→引っ掛かりもなく読めた

大掛かりな装置を動かす脳筋の抜けた女、というモチーフが良い

焦りや家の中の落ち着きの対比が好き

(質問について)

I.        PowerPointを出しそうなぐらいの量

鋼の錬金術師:アルフォンス・エルリックが好き

足と腕を失うエピソードが良い

魂と鎧を繋ぐ結印のハラハラさと猫を内部で飼うギャップ

 

承・転の抜け→「結」を引き立たせる

唐突な海賊の登場は却ってよかった

最初のシーン→ダム感を感じた→海の説明で「未来」を想起

水没した過去の遺産が最初以降出ない→最初の描写の謎

(質問について)

I.        キャラを参考にしたいなら、人がたくさん出てくる作品を→ソシャゲのキャラ

個性を出さざるを得ない→多くなるゆえに、「刺さる」キャラを探すいい手段に

「ヘタリア」→100程度のキャラ

→国の擬人化として、ステレオタイプでこそあるが、キャラ性を得たいときに良いのでは?

 

④つかみが面白い→SF?未来?→それを考えさせるうまみに

人間性のあっけらかんさ→人間らしいのが良い

用心棒と水上に住む男の奇妙さ

活劇的に突然なるのはいいが、前半のうまみと矛盾

複数回海賊が来ているような描写もある

複数回の迎撃を示すような描写があってもいいのでは?

 (質問について)

I.        マスターキートンのキートン、映画「トゥルーマンズショー」のトゥルーマン

なんにせよ、主人公には「ぶれない軸」が必要

II.      ショートショートは「承・転の抜け」があってもいいのでは?

 

アニメの意識→「承・転の欠如」は、構成として、「トムとジェリー」みたいな感覚になった

質問:男性と女性で別々

女性:小田たつえの作品にあったような「人外娘」が好き→特異性のある女性が好き

Fate→虞美人、嫌味さなどを持ちつつエモさがあった

非人間的なものへのあこがれ

年上の女性が好き

男性:中性的な人物…『文豪ストレイドッグス』の中原中也

兄貴分みたいなキャラ

 

作者から

3人称を書いてみて、ゴミかなと思っていたが、みんなよく読んでくれてなにより

「過去の遺産」→自身でも詰め切れなかったのが残念に思う

承・転の欠如→好評で意外

さまざまなものを呈示し続ける「無限の提示」を感じる

この作品も、用心棒の職をあくまで示しただけ

長編にはまだほど遠い…

様々なジャンルにささる作品を作っていきたい

 

524日≫

①世界に関する情報→世界観をスムーズに取り込めた

台詞での世界観の導入

3ページでまとめこむ能力

(質問について)

II.      視点基準キャラとしての主人公・一郎→逆にあくまで「視点基準キャラ」として徹底的にキャラクター性を削ってもよいのでは?

 

「登竜門」もう少ししっかり昇ってほしかった

本作品はラノベ感が強い→「キャラと世界設定」の徹底

通常でない状態が、たくさん語らずに述べ切れていた

キャラ自身は魅力的→各人の雰囲気を醸し出す

高田のキャラ(「ワトソン視点」)→ただの観測者になってしまっている

彼なりのストーリーを入れるべき

「話すのが苦手です」などで含みを持たせられたのでは?

水上が肉弾戦で戦うかと思わせておいて、理知的な戦闘になったのが残念

「水上沙織」の必要性

キャラ・ストーリー・世界観がばらばら

(質問について)

II.      3人称にはなっていたと思う→Q.これは意図的か?

 

世界観が素晴らしい→つかみが上手

→終末世界の感覚を十分醸し出せている

海賊→一郎がすんなりと受け入れているところなどで、世界観をそれとなく述べている

水上のキャラ→十分構成されている

アドバイザーという設定を加えると、飄々とした感じが合致する

→「住み込み」の設定と矛盾

「主人公が実は犯人側」→世界の広がり、余韻、キャラ付けもできた

(質問について)

II.      3人称であるからこそ、世界観に驚くことが出来たと思う

 

④読んでいて楽しかった

主人公のキャラが薄い

他キャラ→十分なキャラクター性

受動的な主人公といえども、キャラ付けはやはり必要

ある種「主人公がどうでもいい」状態にある

ストーリー構成は十分完成している

一次元的な側面は理解できる

「ラノベ風」が他の方々から言われていた→意図的な「ラノベ風」か?

(質問について)

II.      ラノベ風の時点で、既にBLACKLAGOON=アニメ風で3人称視点化していた

 

II.      「世界を上から見ている」=3人称視点

アニメーション感覚が通されていて、十分完成していたと思う

屋敷を警戒している海賊→脳筋みたいな水上が敢えて理系的な「ギャップキャラ」か、水上をどうしても使いたかったのか?

 

「屋敷全体が震え始めた」→骨董品すらも振動して危険なのでは?

よく振動する家と「骨董品」集め→矛盾にも思える?

(質問について)

II.      一郎がファインダーをのぞく→一人称では?

 

12話の中の1話目みたいに思えた

さらに困難が待っているのでは?→続けてほしい

舞台設定、世界観構築の才能を見た→今後に期待

 

最後に

高田のキャラ付けは、消してもいいのでは?→書ききれず、「失態」とも言える

主人公のキャラ付けが課題

アニメ風は意図的?→意図的…3人称視点でこそアニメだと思う

一郎視点での驚きを入れるなら、1人称を含めてもよかったと思う

早々から1人称で書くには、難易度が高かったので3人称視点を選択

水上=脳筋は適切か?→引っ張られた側面もあると思うが、海賊を騙すためにそうしているという考えだった

「単純な」脳筋になるような、脳筋の描写過多だったか?

バットは、ダイバーに襲われてもいいように持たせるなどの設定を付けられた

長編の1話目みたいな状況→情報提示を永久に続けてしまう「無限の提示」からまだ抜け出せていない

「登竜門」→短編としては「ぎりぎり入らせていただいた」が、

長編としては「まだまだだよバーカバーカ」と言われているような気がする

ホテルローヤルからパクった描写があった→「がさつであけすけな」水上を、行動だけで示す表現

3人称視点には不安があった→締め切り直前で詰め切れなかった部分も

 

ゴミみたいな作品だと思っていたが、高評価で嬉しい→慢心せずに頑張ります