4月22日・26日 批評会

1.煎茶釜飯オルタ「追憶」

 

作者から

 

批評

・恋愛譚を短めに仕上げ、語りすぎていないのにストーリーがしっかりしていてよかった。ページを使って時間の経過を表すやり方も巧いなと思った。指輪を見せるのに掌を見せるのは違和感がある(手の甲では?)。ストーリー全体としては非常に良かったので今後もこう言った作品を描いてほしい(切実)

・理屈でストーリーが伝わっているわけではないが雰囲気と筋書きをうまく伝える設計がなされていた。手のひらを向けるというのも独自性があって面白いが、唇云々の部分はややしつこい気も。口角をあげるというのはちょっとうれしい微笑みを表すのには向いていない気がする。

・主人公の女性ではなく、主人公の旦那さんに同情した。旦那さんに対する申し訳なさみたいな感情をもっと描いてほしい。

・匂いの描写に頼り切ってしまっている箇所が多いように気がする。雰囲気を出すのにはいいかもしれないが……。小説を書く時には、はっきり明確に、イメージをつかみやすいように書くのがモットーなので、作者さんとは対照的。カニバリズムは「作品の道具としては」倫理観に挑戦する刺激的なテーマだと思う。

・人間は好きになった人を忘れられないもの。それぐらいは良いのかなと思う。カニバリズムに関しては絶体絶命の状況では仕方ないと思う。執筆するうえでは……

・高校二年のころまでカニバリズムのことはカーニバリズムだと思っていた(楽しそう)。トラブルになって気づいた。個人的には勝手にしてくれという感じ。野菜しか食べない人がいるぐらいだし人肉しか食わない人がいても仕方ないと思う。法に触れてしまうからよくないけど。小説を書く時には、プロットをがちがちに固めて、執筆に反映させない裏設定まで考えておくのが好き。

・作者がアレな人なのがわかっているぶん、においの描写の繊細さに戦慄する。もしかすると作者さんは性癖を抑圧させながら書いたと思われる。カニバリズム価値観と自分の価値観を比べるのはナンセンスだと思う。自分は食べないけど。

 

作者から

 

 

2.眠猫狂子「平成終わりの春」

作者から

「①」「②」作品水増しのために書きました。中性的な名前にしてネカマやろうと思ったけど文体でばれました。自分の経験を入れてしまった。

 

批評

・文章の構成に変化を持たせるとかそういう試みは面白いと思った。会話とか登場人物を出すときの具体的描写を省きがちになっている気がする。描写というより言葉遊びをしている印象を受ける。「電脳空間内での会話を記す」以降の所で心理描写をするというのは分かりづらかった。逆にurlかなんかを貼り付けたりするとわかりやすいかなと思った。文章に勢いがあるのが持ち味なのかな? 出来事の経緯を述べる箇所などが少しわかりづらい。作品世界の外を読者に意識させるというのは読者を置き去りにしてしまっている感じがする。

・端的に言うとよくわからない。どこから何をどう読み取ればいいのかわからない。字面だけ追ってしまって、内容が頭に入ってこなかった。作者が文字列を通じて何を言いたいのか、正直よくわからなかった。自分が変な人だと周りから言われる。SNSは始めたばっかりで塩化した経験はない。

・バラエティ色が強く、あれよという間にどんどん進んでいくのは面白いなと思った。混沌としたこういう作品も個人的には好き。ペンネームが母親と同じだった。SNSエンカしてみたい。

・中根辰榮名義からの反動かなと思った。アップテンポの作品は嫌いではないが、読者を置いていきがちなところかと思う。作品から男性陰キャの同情を誘おうという魂胆が見える。作者は読者に理解させようとしていないのに、読者に理解を求めているというジレンマが問題かなと思った。最後の展開が良く理解できなかった。パブGというのがPUBGだと理解するまでに時間がかかった。二十鍵かっことかあるとわかりやすい。カニバリズムのことを教えてくれたサイコパスの同輩が印象に残っている。入学説明会で隣の席に座った人がずっと独り言を言っていた、という友人の話を聞いた。ツイッターでエンカしたことがあった。弊害はあるだろうが基本的には好き。

・人称と視点や時制など、全体的に統一感がない。日記形式(振り返り)なのか? 現在なのか? 自分の中で自明に定義された概念をそのまま出すのは混乱を招くと思う。通知ランプでラインが届いたことを表すのもやや違和感がある。ネカマをやっていたのに現実世界での知り合いとエンカしてしまって辛かったことはあった。

・水族館のような人の頭の中の混沌が上手く描かれていたと思う。語り掛けの部分でメタ的な描写をするのも面白いと思う。高校の同輩の中にホグワーツに通いたがってるやつがいる。中高時代SNSで趣味が合う人と交流しまくっていた。

・突然きゅーあんどえーに突入するのは映像作品っぽい。小説でこの方法は普及していないから違和感があった。一日十五時間勉強していた同輩がいた。SNSエンカは、ドルオタと野球チームとやったことがある。学校とか職場とかの出会いに、SNSでの出会いが勝ることは無いと思う。

 

作者から

 

この作品が良いものだとは思っていない。新歓向けに高校生活を描いたつもり。自分はこういう作品には向かないと思った。ライトノベルチックにしたつもりだが、読み慣れていなかったせいで微妙なものになってしまった気がする。好きなアニメ繋がりで、エンカは何度もしたことがある。