批評会(8月26日)

題名: 東京バナナブルース

作者:桐原ともこ

質問事項:どのバナナジュースがいちばん良いと感じましたか?

 

l  冒頭の新宿のお話が好き。新宿の地下にある喫茶店を思い浮かべた。舞台と内容が合ってて、どちらかが浮くということがなくて良かった。

l  オシャレな喫茶店から、赤坂まで焼肉に行くという論理がよく分からなかった。⇒作者さんの体験らしい。

l  いつもの作者さんらしい作品。

l  一番よかったなと思うのが銭湯に行くのにバナナオレを飲んでいたところのシーン。話とイメージが重なり合ってて良かった。象徴的。

l  バナナジュースが、さっぱりとしたのが二つ、甘いのが二つ。どういう基準で分けたのかがよく分からなかった。

l  足立くんが家が嫌いな理由にもう少し具体的な物語が必要かなと思った。共感しやすさがその後のストーリーへの姿勢にも影響があるかなと思った。

 

【作者から】

l  日本橋に行ったら謎の空間過ぎて書きたくなったので書きました。

l  前の批評会か編集会でパパ活の話になったので、そこで思いついた。本気でパパを探しに行くというお話を書けたのが良かった。

 

 

 

題名: 種が咲く

作者:竹宮辰

質問事項:読んでいて冗長に感じたところはありましたか?

 

l  女の子に振り回される描写はありがちな恋愛小説の冒頭のように感じる。このままで終わるのがもったいないくらい。

l  描写が上手く感覚が思い出されるよう。

l  主人公が冷たい感じ。快感と言うよりも。

l  描写が良い意味で気持ち悪い。悍ましい感じが出せている。アングラな雰囲気がでて良い。

l  「先生、先生」のところで感じた違和感の答えをもう少し前に。

l  アトピーの下りで塗り薬の匂いがするか違和感。⇒匂いがトリガーで記憶が思い出されるようなイメージ。

l  こういう雰囲気の作品がとても好き。

l  塗り薬は子供にとって確かにきつい匂い。それをキーに使ってくれたのは楽しめた。

l  冗長と感じた部分は特になかった。

l  主人公の男性がロリコン、というわけではないというのが好き。

 

【作者から】

l  比喩を多めに用いて書こうとしたらガチャガチャしてしまったかなという印象。いらないと思うところがあったら是非指摘して欲しい。

l  匂いとかは経験のあるなしで読者の受け取り方が違うと感じたのでそこが課題か。

 

 

 

題名: ○○○○LESS

作者:朝見小雪

質問事項:タイトルの意味を解釈して欲しい。

 

l  この設定の雰囲気を保ちながら書く技術は凄いなと思った。文章も雰囲気に合わせていて読みやすい。描写も丁寧で風景が頭に浮かんでくるようだった。

l  最初は中年おじさんの悲哀の話かと思ったら急にSF感が出てきてわくわくした。

l  最後の段落で全てが分かって「こういうことだったのか」というのが好きなので、凄く楽しめたが辛かった。

l  仏花が置かれているのに、その意図に気づかないで花言葉を調べてしまうのが面白く感じた。

l  ホラーものかと思った。死んでいるから「LESS」なのかなとは感じた。

l LESS」は肉体がLESS

 

【作者から】

l  読んでください。以上です。

 

l  ループもの。花言葉には意味がある。何が足りていない、という訳ではなく色々と足りていないので「○○○○」。