批評会(4月10 日)

作品名:アンジュの林檎

作者名:冬原 燎

質問事項:

キャラ2人の良いところ、悪いところを教えて下さい。キャラを魅力的にするにはどうすればよいでしょうか?


質問の回答としては


  ルークのネーミングが良い(光を運ぶ者、の意味?)

  イブに感情移入して読めた。共感しやすいキャラクターである。

・ 女の子の描写がよく、キャラがたっている。対してルークのキャラクターは薄い。

  キャラを立たせるには、文体、セリフ、キャラの行動原理、名前、が重要であると考える。

  目線が一人称のみのため、キャラが立ちにくくなっている。

  女性キャラ(イブ)の個性が強いので、対比で男性キャラ(ルーク)の個性が薄くても良いのではないか。

  ルークの描写がないことで、ルークはだれにでもなれる、という効果が生まれている。

  ルークがはじめからイブに好意があるのはよくない。異次元の優しさを出す場面が必要ではないか。

  暗い部分を描くことで、ルークのキャラが立つのではないだろうか。

  対立構造を使ってみるのはどうか。


などがありました。


また、


  全体的に詰め込みすぎている。

  外国名のキャラクター名と日本を想像させる作品内の舞台がちぐはぐの印象を抱かせた。

  夢の描写の裏付けがなされていないため、ふわふわした印象になってしまっている。

  なぜイブがルークを好きになったのかがわからなかった。

  ルークがクラス会に行けないほどお金がないという家族内の事情や、ルークとイブが同じ日に夢を見たとき、イブが名前をつけて持っている剣をルークも持っている(違う人の夢の中に同じ剣が出てくる)など、不可解なシーンが見られた。


などの指摘がありました。


その他の感想や肯定的な意見としては


  良い質問事項

  構成がきっちりしている。

  文の長さが丁度よい

  最初の詩のセンスが良い。続けてほしい¥。

  続きが気になる内容。

  最後にセリフで終わらせるところがよかった。

  考える余地を与える場面の描写があった。

・細かい描写はよくできている。


などがありました。



作品名: Daily World Student

作者名: Air-Star

質問事項:

①「戦争」「大学」「就職」はどういう意味を持っているか、あなたなりの解釈を教えて下さい。

②この物語内の状況について、あなたはリアリティを感じましたか。また、その理由も教えて下さい。


質問の回答としては


  戦争=漠然とした日本終わり・不安、大学=その過程、と考えた。

  戦争=漠然とした不安、就職=戦争に巻き込まれること、と考えた。

  日本の大学や物流の止まっている描写などにより、リアリティが感じられなかった。

・ 緊張感が足りないため、リアリティがないと思った。

  戦争=見えない不安、就職=社会の歯車、大学=就職までの自由時間、と考えた。

  今にも起こりそうな戦争の描写がリアリティを感じさせた。

  大学=精神の自由・個性を持っていられる場所、就職=個性を殺すこと・大人になること、戦争=大人にさせること・少数を減らすこと・弾圧、と考えた。

  戦争=不安、大学=現状、就職=現実、と考えた。

  戦争=関わりのないところのゴタゴタ(政治とか) 大学=モラトリアム、就職=将来、として読んだ。


などがありました。


また、


  単にSFとして読むとさっくり終わってしまう印象。

  未来(登場人物)が綺麗すぎる。世界観のアクセント。

  モラトリアムに関わる描写に矛盾を感じた。


などの指摘がありました。


その他の感想や肯定的な意見としては


  戦争をビジュアルで見えなくして、恐怖をあおっている。

  「禁煙ですよ」というセリフの部分で、自然にキャラクターが登場してくるところがよかった。

最後に出てくる戦争っぽさが好き。

  戦争と日常の比率がよかった。

  手塚治虫の漫画を連想させた。

今居の反面教師的な諭し方がよかった。

  新入生向けっぽい

  主人公(今居)=諦め・焦り、未来(登場人物)=がんばっている存在、として読めた


などがありました。