夏合宿 批評会(8月24、25、26日)

気候がすっかり秋らしくなってきました。

世間ではもう夏休み終了ムードが漂っていますが、大学生とは実に気ままなもので、今だにダラダラと長期休暇の消化試合といったところでしょうか。

個人的に、8月はいろいろと予定が立て込んでいたこともあり、ようやく秋期(後期)に向けての計画が始動できるというものですが、それはさておき。

 

前置きが長くなりましたが、夏合宿の記事です。執筆は引き続き五月雨空星くんが行っております。

「そろそろ新作出せそう?」と、秋号の締切を考えては頭を抱える日々です。いや、執筆はしてますよ!……ぼちぼち(ボソッ)

 

今年は千葉県南房総に行ってきました。

二日目はマザー牧場に遊びに行っていたようですが、私は諸般の事情により民宿でぐったりダラダラ過ごしておりました。

「酒は飲んでも呑まれるな」正に格言として身にしみる思いであります。

 

おかげ?で、1年生には(フラット意味で)大きな印象を与えられたのではないでしょうか。

そこに関しては満足というか、なんというか。

人間清濁併せ飲む感じが一番健康的なんだよ、という戯言は捨て置きまして、秋期(後期)はバイト(生活費)を切り捨ててサークルに毎週参加することが私の脳内議会で決定したようなので、これまたよろしくお願いいたします。

と、いったところで以下批評会の内容です。

 

まとめに関しては、優秀な後輩がわかりやすくまとめてくれたので、先輩大助かりです。超感謝。謝謝。(3日目は素敵な同輩がまとめてくれました。こちらも感謝)

 

批評会(初日:8月24日)

作品名:天国へのエレベーター

作者名:詩賦子

質問事項:読んでて楽しかったですか?

 

・後ろ5p△ 前の5pは話題変わっている

⇔後ろ5pは場面が変わらない。テイストも変わらない

 =(途中から)間延び

 最初の5p 文章ののりが面白い

 ※あきる 二回面白いかは△

 後ろ5pが楽しめなかった

 地の文⇔台詞が勢い、台詞でおしすぎている

 前半が勢い

 だんだんと味がしつこくなる

 この文章のスタイルもひとつ。

 ただし、あえて5pで終わらしてみるのも手

・面白かった。

 ギャグからシリアスへの変わり方が間延びの原因(?)

 ギャグにはスピード感が必要

 ⇔長い

 下ネタなのに、最後のほうできれいにまとめようとしている△

 ⇔いっそ割り切ってみるべき?

  例)いっそおでんをカレーにしてみる

    主人公をcocoichiの店員にする

 少し不十分

 33pまではテンポよい。読みやすい。ただし漫画チック

 30p上段......生理→経血のが潔い?

 長さの調節必要

・最初:小説 後半:コントと思うとよくできている

 →間延び、勢いでここまでかけるのはすごい。

 作者の力量◎

 ※小説というよりコントの台本

 後半の文章ののり

 ※コント=導入→誘い笑い

 勢いで通しているが、楽しく読めた

 スマートにまとめられれば、洗練されてくるのでは

・楽しめました!

 36p下段擬音語のところ、二字熟語のところ

 =センスあって面白い

 笑いの最高潮が物語の最高潮でないところでとっている

 言い合いのシーン、もっとスピード感をだすとよりよい

  (台詞が多くなってしまっているため)

 題材として、もっと面白くする余地がある

 33p上段L9

  →?、!の前に台詞が欲しい。

・一番面白かったシーン...台詞の掛け合い、センスを感じた

 間延び......34,35の二ページあたりに感じられる。

       36pあたりには工夫が感じられる

       時間の長さの表現。擬音によるスピード感

       むしろここには間延びはない。

       一応のまとまりがある作品。

       →オチについては、凛子が排泄によりきれいになる(邪気払う)

        =納得できる話では?

・前半28、29p 凛子は無機質キャラ

          (キャラをためてる)

 →後半でキャラが爆発 ※早いかもしれない。ためると爆発力あがる?

  もう少しためるとよりよい。ページめくって爆発くらい

・無理に整合性をつけなくてもよい。

 (作者の言ったもの勝ちだから)

 後半の違和感=前半8p ギャグベースのシリアス

 ⇔後半はシリアスベース※これが原因?

 作者がコントロールするのは難しいかもしれないが、

 雰囲気のコントロールができるとより質が上がる

・作者「オチを考えてから書いた」

 →作品として完成させるのなら、このままで十分。

  ※笑いメインなら、もっと笑わせられた

 

2日目:8月25日

作品名:処女宣誓

作者名:矢崎あか

質問事項:肉欲的なものは感じましたか?

 

・読んでいて苦痛ではない

 例)りさがまやにかみつくシーン

   p50下の段の流れ(ここは不気味に感じた)

   ラスト 気が付いたらいなくなっていた(おやっと感じた)

 違和感が強い...p58中盤 前後の文脈と回想が合わない?

 主人公が嫌う「しんや」の呼び方の掘り下げが欲しい

 ラストが唐突では?

・作者<りさ→気持ち悪くない 後半の男→気持ち悪い

 佐藤さんの存在の謎がわからない、

 真矢のキャラクターが見えにくい

  →裏の事情がわかりにくかった

 唐突な印象を受ける表現

  例)生理の設定が、重く扱われていない

    真矢の佐藤に対する評価が描かれている部分

 p56下段まで→真矢中心の三人称

  ⇔佐藤の登場と同時に視点がぶれている?

 三人称自体に違和感はなし

・作者<りさ→気持ち悪くない 佐藤→気持ち悪い

  ...佐藤は成功。ただし、唐突?

   もっと真矢に対して粘着質な描き方をしてもよかったのでは

    例)+含み笑い、などで匂わせる

 佐藤との兼ね合いが多く、りさは少ない。

  →りさと真矢の日常シーンが不足。バランスが悪い

・気持ち悪さはあまりでていないのでは。

 三人の登場人物→キャラクターが見えてこない

  ※そのぶん読者の想像は広がる

  ※感情に対する描写の不足が原因?

 ラスト...少し伝わりにくい。説明が必要。

   →冒頭で匂わせる文をいれてみては

・佐藤=気持ち悪く思わなかった。

    お気楽な感じで進んでしまった。

    性欲的なものも違和感なく。

 真矢が鈍感なのか、よくわからなかった。

 リサが爪を立てるシーンは、過程がもう少し欲しい。

 少々唐突か

・肉欲はあまり感じなかった。

 かみついたりするシーン...不意をつかれた感はあり。

  しかし、キャラクターが見えてこないため、

  「そういう人たち」としてとらえてしまった。

  →人間味が足りない?

 キャラクターの心情の部分、関係の部分が見えてこなかった。

  (三人称のため?)

・読み手によってかなり読みが変わってくる。

 深読みできる(できてしまう)。

 肉欲的な部分...作者<場面は肉欲的、描写はそうでない

         →成功。生々しさは感じられなかったため。

          よかった

 共依存の話?→作者<メインではないが共依存

 

3日目:8月26日

作品名:カオスの木の根

作者名:坂本晴人

質問事項:彼女の行動の理由をどう考えましたか?

 

・最初と最後の場面が似ている

・彼女は悲劇のヒロインを演じたかった?

 →「誰か」のポジションを埋めたかった

・体言止めが多い→情報を理解しやすいが、目につく

・40ページ上段、「彼女が~」付近、接続・主語の不一致?

・同ページ下段、6行目→急に入ってきたという違和感がある

・女の事情の考察→主人公に満足できなかった?

        →女は連続殺人犯?

・隠れた正解があるような気がする(前作(2014春号)とは異なる)

 →考察する楽しみが減った

・わかりやすいオチのほうが良かったのでは?

・無駄な部分→ピンバッジの描写、全体に比べて長い

・「4本目のタバコ」では時間の経過がわからない

・4ページで良くまとまっている

・互の欲求の帰結?

・ループもの?

・自分の美しい瞬間を彼に見せてあげたい

・泣くことを快楽にしているわけではない

・頭の中に内容、登場人物の心理が入ってこなかった

・悲劇のヒロインにはすでになっている

 →行動と思考が矛盾

・面白い誤読ができない

・登場人物のことがよく理解できない

・彼、彼女のことがよくわからない

・彼女は絶望するまでの感情を彼にしてなかった

・タイトルで何か補足して欲しい

・彼が、彼女の運命に巻き込まれた

・彼女の涙に自然な感情が見られなかったから、美しくなかった?

・物語がループしている? この物語には「構造」しかない

 →41ページ下段、「その『あなた』~」の部分から

・彼女の物語が終わらないようにした

 

以上、3作品を扱いました。

なお、本記事執筆の際に用いた作業用BGMはKalafinaのベストアルバムのRedの方です。

「Oblivious」いい曲ですよね。