批評会(7月4日)

7月4日 批評会

 

一度は作中で使ってみたいセリフ

「貴様は可能性の選択をまちがえたのだ。その時点で敗北は確定している」

そして始まる主人公の逆襲撃(ここまでテンプレ)

 

【第四回】

 国際日本学部っていったい何してるの? その疑問に今回お答えしましょう。国際日本学部、その実態は「日本学」をする場所です。「日本」について多面的に考えてゆく。その際の視座として、「世界」の中の「日本」という立場をとります。ゆえに、「国際日本」。確かに珍妙な名称ですから内容がよくわからないと言われるのも致し方ないですね。そうした「日本」の総体(過去から現在に至るまで)を研究する上で、「オタク(位置づけとしてはポップカルチャー領域)」文化は外せないので、オタク文化の専門家が揃っている、とこのような経緯があります。しかしながら、歴史も浅いので欠点も多くあります。そうしたものへの揶揄を込めて、明治大学「中野サブカル学部」といった、一種の自虐ネタを私はよくするのですね。

[次回へつづく]

 

作品名:命の秤

作者名:坂本晴人

質問事項:読み終えた後に、なにか考えたことはあったか?

 

<以下、批評内容>

・考えさせられることはなかった

・印象:冷たい

・文体の使い分けに感心

・難しすぎる表現が避けられている。親切

 →その反面、丁寧すぎと思える部分も

・ほとんど固有名詞

 →代名詞の少なさ→話を客観的に見れる

・ひとつひとつの文が読みやすい長さ

・固有名詞の使い方が徹底しているのがすごい

 →読者を突き放すような

・省略できる文もいくつか

・激のような構成、いっそ戯曲にしていた伝えたいことがわかりやすくなった?

・理解しやすく、読んでいて楽しくなるような言葉遊び

・生と死について

死の重さの話が最後に出てくるのは違和感?

・死のかたち、意味合い

・悲愴感

・冷たさを感じた理由

 →ハッピーエンドを予想していたから?

・目で読むための文章

 →声に出すと文の冷たさ、そっけなさを感じる

・死にそうな人が出てきた

 →やっぱり死んだ

  なにか原因があって結果がある

  これは良いが、山場がないような感じがする

  いっそもっと淡々とした書き方にすると変わる?

・書かなきゃいけない情報とそうじゃない文章の量が均等

 →埋もれているので構成を考えた方が良い

・ストーリーと文体の不一致。どちらかを変えると良さそう

・固有名詞

作者が思うほど突き刺さったものはなかった

テーマが固有名詞によってぼやけてしまった

・オチに納得がいかなかった

 →それまで生の意味を考えていたので、最後の結論に至った心理描写が見えない

 

作品名:かさねご道

作者名:筑紫陽

質問事項:①台詞の言い回しで不自然なところはありましたか?(特にp39以降)

     ②学生演劇向けの内容でしたか?

 

<以下、批評内容>

・三点リーダーのみのセリフ

 →感情が伝わらない

・言葉遊びが伝わらない(ト書きで強調させるなど)

・読ませる前提で書かれていない

・自由に演技をしてほしいのなら最低限ト書きはした方が良い

・説明的なセリフが不自然

・高校生以上への教訓には毒も必要

・「○○な若者」と決めておくと、作者も演出もやりやすい

・幕開けで具体的な情景(時間帯・服装)がほしい

・あやめ、ではなく、しょうぶ

・クモが物語に関わっていない

・特に不自然さはない

・大学生向けにしては幼い

・登場人物が多い。5~7人でよい(黒子は7人でいい)

・時間の短さ割に幕が多い

4幕、11場は忙しすぎる

セットを節約することはもっとできる

・時代背景がわからない(セリフだけではなく設定で)

・一日のできごとにまとめた方が不気味さがある

・若者との会話が説教くさい

 →高校生以上にはこの「説教臭さ」は合わない

・若者に関する説明とセリフが一致していない

・村人の描き分け

・感情表現のト書きが足りない

・セリフの単語のチョイス(二字熟語が多い)

 →口語らしくない

・最後の、女と黒子のセリフは丁寧すぎる

・小道具(あやめなど)の使い方が雑

 

以上の二作品を扱いました。