批評会(6月20日)

6月20日 批評会

 

「無」と「可能性」は同義である

 

【第二回】

 前期はゼミというものに初めて所属しました。しかし、このゼミが一番の厄災をわたくしにもたらしたのであります。昨日(7月30日)、そのゼミのお疲れ会があり、教授を囲って飲んでいたところ、教授曰く「まあでも今年は半期で一年分の内容をやったようなものだから、四単位分はあげたいわね」と。確かに毎週3コマぶっ通し(5、6、7限)の270分発表orディスカッションは修羅の道でした。とはいえ、ゼミは教授とお近づきになれるいい場なので一年生諸君はいろいろご検討なされると良いですよ。(ブラックゼミばっかりじゃないからね)

[(いい話風に締めて)次回へつづく]

 

作品名:Dr.Teddy

作者名:矢崎あか

質問事項:気持ちわるくなったか

 

<以下、批評内容>

・「ぼく」は人間じゃないことが文から分かる

 →ただ、確信はできなかった(答えはタイトルに)

  とりあえず、気持ち悪くはなかった

・気持ち悪く感じるポイントはどこに?

・タイトルは違うオチへの誘導?

・捨てられるオチは読めた

 →そのオチへの「ぼく」の感情・伏線が足りない

・気持ち悪いというより不安

 →ひらがなの文体が原因?

・オチがドライ

・ぬいぐるみは目を閉じる?(表現の好みによる)

・味

ぬいぐるみ特有の謎を表現したら面白くなる?

・人形とかを吸えられる、捨てられない

 →人の変化などが書かれている?

・かわいらしい文章。かわいさの裏に怖さを予想してしまう

・全体的にいい話

・設定としてはよくある話

・びゃんびゃんな泣く、など好きな表現

 →もっと増やしていってほしい

・犬? 人形? 最後の方まで迷った

 →迷わされたわりにオチが弱い

・人形の精神とかがあこちゃんに伝わってる?

 →不思議な感じ

・受けmの表現ですべて書かれている→生物じゃない

・お父さんが「ぼく」に話しかける、プリンを貰う→生物っぽい

 

続いて二作目

作品名:一兵士の話

作者名:もんにん

質問事項:違和感はあったか?

 

<以下、批評内容>

・違和感あり

第一次世界大戦っぽい? 確定はされていない

人物、場所、時代などについての情報がない

・主人公はどちら側の人間なのか

 →そこがわからないのは、とてもつらい

  この情報でだいぶドラマが広がりそう

・戦車の見せ方

前情報の影響で、強さ、凄さがイマイチ伝わらない

・伏線として使えそうな情報、もったいない

・新兵器ってなに? どれ?

・モデルの有無はどちらでもいし軍の所属とかもどちらでもいい

 →短編なので

・短い文章なのに臨場感がある。淡々としている

・志願兵のわりに覚めている感じがした。戦う理由は?

・主人公の死を見てもろくに何も思わない

 →「死」がどんな物なのか

・「名誉ある」を強調した意味

・上官のキャラ付けは成功している

・人称、視点の統一に気を使えている

・即映的な文体→成功している

・読んでいて感情にうったえかけてくるものがなかった

 →読者を裏切る展開もなかった

・もう少し長いドラマがあったら設定・ストーリーがもっと生きたのでは

 

続いて三作目

作品名:あじさいの娘

作者名:森内美里

質問事項:どこで改行すれば適切だと感じたか

 

<以下、批評内容>

・むしろ改行はいらないのでは?

 →ところどころすごく長いけれど(切っても長いものは長い)

・文章につながりを感じた

・急展開で終わるが、他の結末は想像つかない

 →これでいいのでは?

・時間、場面の切り替わりで普通は改行すべきだけれど、逆にこの先品では分からなくて、謎で、不安ないい味を出している。

・今までの作品より、話の軸がある

・ジャンルに悩む

・終盤のやるせなさ、作者の個性、力量

・小さい部分のリアルな感じ、違和感なし

・改行は不要

・ひとつひとつのリアリティが高い

 →ありえないことへの描写が細かく、リアル

 

以上の三作品を扱いました。