批評会(1月17日)

こんにちは。副編集の鈴木です。本日は2013年度後期最後の批評会を執り行いました。

ひとつめの作品は、深井寛さんの「似非」です。質問事項は、「人に読んでもらえる作品になっているか」「どういうタイトルをつければ良かったか」といったものでした。作品全体を概観した批評としては、

構成の均衡が取れていない

文脈の乱れた記述があるが、意図的なものであったとしても読みづらかった

などの指摘もありましたが、

・ブラックユーモアとして解釈し、愉しく読んだ

文章の基礎的な技量は高い

など、非常に好評な見方も提示されました。また、「どういうタイトルをつければ良かったか」については、具体的に「上っ面」「借り物」「被り物」などの代替案が出されたうえで、

作品の内容を勘案しても、違和感や齟齬は感じない

作品としての帰結があらかじめ分かってしまう題ではあるので、その点につき工夫することは可能かもしれない

などの講評が寄せられる結果となりました。

ふたつめの作品は、御影那由他さんの「冷たいキミの手」です。質問事項は「作品のテーマは何だと思ったか」「作中に出てくるアンドロイドをどのように感じたか(滑稽、かわいい等簡単で構いません)」といったものでした。作品全体を概観した批評としては、

・細部に欠点が目立つ

・近未来をイメージした時代設定と考えたが、現代的な設定を残した意図が掴みづらい、作品全体を通した言及性が欲しい

・世界観をイメージしづらい

などが指摘されました。また、

・SFというより青春を描いた小説として読めた

というような感想がもたらされました。

質問事項における「作品のテーマは何だと思ったか」については、「悲恋」「人間とロボットの断絶」など、多様な解釈が各人によりなされる結果となりました。また、「作中に出てくるアンドロイドをどのように感じたか(滑稽、かわいい等簡単で構いません)」といった質問については、

・台詞からは「絵に描いたようなアンドロイド」という感じがした

・もっと露骨に「人間との隔たり」を表現してもよい

などの意見が出されました。

以上で報告を終わらせていただきます。皆さん一年間お疲れさまでした。