2013年の野球を振り返る

こんにちは、松葉です。ずっと記事を書こう書こうと思っていた反面、なかなか時間を作ることが出来なかったんですが(現在も冬コミ号の作品制作と課題の嵐に追われています)、うだうだと書かないままでいると年を越してしまいそうなので、とりあえず何か一つ、パパッと記事をこさえて、駄文でホームページを汚染してやろうと思い筆をとりました。筆じゃないですけど。

 

そこでタイトルにもある通り、今年の野球、主にプロ野球中心ですが、それらをなるべく客観的に、時偶主観も交えて、激動の1年間を振り返っていこうと思います。

 

野球といえば、皆さんどんな選手、どんな場面を思い出すでしょうか。高校野球なら大ちゃんフィーバーと持て囃された荒木大輔や平成の怪物として脚光を浴びた松坂大輔でしょうか。決勝戦引き分け再試合などで壮絶な闘いを繰り広げた田中将大、斎藤佑樹らも記憶に新しいと思います。それとも、もっと新しく、昨年世間を賑わせた藤浪晋太郎や大谷翔平が第一に浮かぶのでしょうか。当時生で見ていたわけではなくてもKKコンビや江川卓、松井秀喜などを上げる人もいると思います。流石に太田幸司や板東英二を上げる人っていうのはいないと思いますが。

MLB(メジャーリーグ)もお盛んです。初の日本人メジャーリーガーは遡ること約50年、1964年には既に誕生していました。その後は約30年間、日本人メジャーリーガーは現れなかったのですが、2人目のメジャーリーガーとして、多くの方がご存知だと思いますが、Nomoが投げれば大丈夫、でお馴染みの野茂英雄選手(この記事の読者的には全く馴染んでないと思いますが)や、MLBで通算500試合以上も登板した功労者、長谷川滋利選手など、以降は多くの日本人選手が異境の地で台頭していきます。他にも、最近の選手で言えば、日本で大魔神の異名を持つ佐々木主浩選手やHit Machineと呼ばれMLBのシーズン安打記録を84年ぶりに更新したイチロー選手、MLBでワールドシリーズMVPにも輝いた松井秀喜選手などが、海を渡って活躍しました。

そして日本のプロ野球。メジャーリーグには及びませんが、それでも長い歴史を持った、日本の伝統スポーツの一種です。その歴史の中で、数々の記録、そして多くの記憶を、今もなお、人々が忘れぬよう大事に抱えて、新たな記録、そして記憶を生み出そうとしている。それがじゃぱにーずべーすぼーるです。

 

くさいくさい前置きはこれくらいにして、長い歴史が生み出してきた記録を立て続けに更新し続けた、激動の、2013年のプロ野球を、プロ野球以外もちょっぴりハサミながら、小ネタも交えて話していきたいと思います。取り上げる試合や出来事は独断と偏見で選ぶので、正確に今年の野球を辿りたいという人にとっては、目に毒かもしれません。

 

2013年の野球の幕開けは、プロ野球でも高校野球でもなく、世界が誇をかけてたたかう、WBC(ワールドベースボールクラシック)でした。2連覇中だった日本は、山本浩二監督率いる若手中心の代表メンバーで挑んだのですが、惜しくも準決勝のプエルトリコ戦で敗れてしまい、連覇は途絶えてしまいました。それでも、WBCで2勝をあげた前田健太選手や、本人が「一生忘れられない」と述べた台湾戦での起死回生の同点打、その他多くの場面で劇的な活躍を見せた井端弘和選手は、WBCの大会ベストナインにも選ばれました。

 

日本プロ野球の開幕は329日。翌30日にはDeNAベイスターズが単独首位にたつという快挙を成し遂げました(なおこの首位は翌31日まで続いた)

 

4月2日のMLB、テキサス・レンジャーズのダルビッシュ選手が、9回2アウト、あと一人で完全試合(四死球や味方のエラーを含め、一人のランナーも出さずに試合に勝つこと)という所でヒットを打たれてしまい、完全試合を逃してしまいました。ちなみに私はこの試合を見ていた結果、新入生勧誘に遅れるという大失態を犯しました。これが野球の怖さです。

 

翌日の4月3日、高校野球はセンバツの決勝戦、森士監督率いる浦和学院が愛媛の済美を破り、甲子園出場21回目にして初優勝、埼玉県勢としても45年ぶりの優勝となりました。

 

4月5日の楽天対ロッテ戦、楽天側になんと野手全員得点という珍事が起こりました。史上10度目、10年ぶりの出来事だということです。するもされるも、ロッテは毎度毎度こういう珍事に関わっている気がします。

 

4月23日、ヤクルト対広島戦で江村将也選手の球を前田智徳選手が左手首に受け、一触即発の乱闘騒ぎになりました。結局この死球が決め手となり、天才と謳われ、類稀なる才能と非凡な活躍をみせてきた前田選手は、24年の野球人生に終止符をうつこととなりました。

 

4月26日、広島の廣瀬純選手が日本新記録となる15打席連続出塁を達成しました。

 

翌4月27日、DeNAの藤井秀悟選手が3986日に完投勝利を上げ、自身の、更新中であった日本プロ野球記録の先発完投なしを107で止めました。他にも2試合で完投し、そのうち1試合は完封と、ベテラン()の意地をみせました。

 

55日、昨年引退をした元メジャーリーガー、松井秀喜選手の引退セレモニー並びに松井選手と長嶋茂雄終身名誉監督の国民栄誉賞授与式が行われました。松井選手は7月28日にNYヤンキースと1日限りのマイナー契約を結んで引退セレモニーを行い、彼は野球選手としての生涯を、ヤンキースのユニフォームを脱ぐことで終えました。

 

510日、巨人対DeNA戦で多村仁志選手が109から逆転スリーランを放ち、見事サヨナラ勝ちをおさめました。7回の時点で103だったこともあり、7点差をひっくり返す怒涛の攻撃、息をのむような攻防は、手に汗握るひと時でした。個人的に今年のベスト5に入る試合なので、紹介しました。

 

5月21日、MLBのマイクトラウト選手がア・リーグ史上最年少でのサイクル安打を記録しました。あまり世間を賑わせた話題ではないのですが、MLBにおける期待の超大型若手選手ということで、その名を知ってもらおうと書いた次第です。

 

6月1日、こちらは紛れもなく(良い意味でも悪い意味でも)世間を賑わせた大型新人、二刀流(※野手と投手を人で行う選手のことですっ)の大谷翔平が、プロ初勝利をあげました。

 

6月5日、巨人対日ハム戦で、小笠原道大選手が2年ぶりとなる1発、価千金の代打サヨナラ3ランを放ちました。2010年まで5年連続で3割30本を打っていた小笠原選手ですが、ここ2年間は全くといっていい程そのバットから快音が響くことなく、2軍で過ごすことも少なくないという悔しい思いをしたようですが、ようやく復活を期待させる1発を放ってくれました。これも個人的に今年の五本指に入る試合で、外に出ていたため後々試合を見直したのですが、速報を見た瞬間は思わず大声を上げてしまいました。なお、この試合のヒーローインタビューで、ファンの声援を噛みしめるように言い放った「思い出しました」という言葉は、2013年の流行語大賞にも選ばれました(嘘です。彼は3週間後再び2軍に落とされ、そのまま1軍に帰ってくることなく、オフに球団を去りました)

 

6月11日、NPB(日本野球機構)2013年のボールを、去年までと比べ飛ぶボールに公示なしで変更していたことを明らかにしました。同時に過去2年のボールが反発力検査で基準値以下の反発係数という、いわゆる「違反球」であったことも明かし、この隠蔽は統一球問題として野球界に大きな混乱を招きました。責任者である加藤良三コミッショナーはこの件について「昨日まで全く知らなかった」「不祥事だとは思っていない」としらを切り、この発言が余計に大きな波紋を引き起こしてしまいました。「不祥事だと思っていない」は2013年の流行語大賞にノミネートされていません。

 

6月13日、ソフトバンクが交流戦の優勝を決めた際、現役唯一の三冠王経験者である松中信彦選手が、自分の起用法に不服を唱え優勝セレモニーを欠席するという監督への侮辱行為を行ったとして、秋山幸二監督は懲罰として、翌14日からシーズンが終わるまでの間、松中選手を登録抹消するという悶着がありました。松中選手は反省を顕わにし、色々な策を立てて監督の機嫌を取ろうと試みましたが、結局それらが功を奏することはありませんでした。

 

620日、台湾の義大ライノズで活躍していた、メジャー555本塁打の実績を持つ元メジャーリーガー、マニーラミレス選手が「家族が恋しくなった」と言って当球団を退団しました。いくつもの苦境をくぐり抜けてきた名選手でも、寂しさには勝てないのだということがはっきりと示された瞬間でした。どうでもいいですね。

 

626日、ロッテの古谷拓哉選手が9回2アウトあと一人のところまで無安打ピッチングを続けていましたが、オリックスの坂口智隆選手に打たれてしまい、ノーヒットノーランにはなりませんでした。ちなみに古谷選手は、5月の30日にイースタン(2軍)でノーヒットノーランを達成していています。

 

先日のノーノー未遂の話題の残滓がちらほらと伺える6月28日、なんと中日の山井大介投手がDeNA戦で、史上77人目となるノーヒットノーランを達成しました。山井選手は2007年の日本シリーズ、8回まで完全試合という圧巻のピッチングを披露しており、その他にも時より見せる、まるで神の乗り移ったような投球内容から「1年に1回だけ日本最強のピッチャーになる」というようなことを言われることがあったりなかったり。

 

77日のMLBではオールスターゲームの出場選手が発表され、日本人選手としては、ダルビッシュ有投手や岩隈久志投手が選出されました。

 

713日のMLB2度のサイヤング賞(ざっくり言うと欧米版沢村賞)受賞者のティム・リンスカム投手がノーヒットノーランを達成しました。昨年はエースらしい投球があまり見られなかったので、このノーノーはMLBでも大きな刺激になったのではないかと思います。

 

一方、日本では7月の192022日、全球団選りすぐりの猛者達が集うマツダオールスターゲームが開催されました。セ・リーグ1勝、パ・リーグ1勝、そして1引き分け、得失点差0ということで両リーグ引き分けという結果に終わりました。なお、この3戦ではいずれの試合もHR(ホームラン)が出ず、3試合連続本塁打なしというのは約60年振りの出来事だったということです。全くイラナイ珍事ですね。

 

729日、2度の沢村賞(大雑把に言えば、その年で一番優れた投手)受賞、2006年には投手5(勝利数・防御率・奪三振・勝率・完封数)にも輝いた、ソフトバンクのスーパーエース、斉藤和巳選手が、同月31日付で退団することを発表しました。斉藤選手は、1997年の入団当時から危惧されていた右肩の状態が悪化し、2008年以降は登板がなく、手術のために渡米したり、現役復帰のためにリハビリなどをしていました。しかし、20137月になって「一軍の戦力になるイメージが出来なくなった」と、その後の会見で述べており、現役復帰を断念、今年限りで野球人生の幕を下ろすこととなりました。斉藤選手は「負けないエース」と呼ばれ、通算7923敗、勝率.775と、エースとして試合に勝利するという責務を果たし続けた、偉大な投手でした。

 

82日、田中将大投手が、前述の斉藤和巳投手が持つ開幕15連勝記録に並びました。なお、田中選手は昨年の勝利も含めると、この時点で19連勝中となります。

 

84日、楽天対日ハム戦で、楽天はパ・リーグタイ記録となる4者連続2塁打、プロ野球新記録となる1イニング7二塁打、そしてプロ野球タイ記録となる1試合11二塁打を達成しました。更に楽天の球団新記録となる23安打も達成しており、正に記録尽くめの試合となりました。ちなみに同試合で記録した先発全員打点は史上2度目35年ぶり、先発全員安打&打点はプロ野球史上初とのことです。

 

89日、楽天の田中将大投手が斉藤和巳選手の記録を塗り替える日本プロ野球新記録の開幕から16連勝、前年度から日本プロ野球タイ記録の20連勝を達成しました。1週間後の816日には、日本プロ野球新記録となる21連勝を達成しています。

 

822日、阪神甲子園球場では全国高等学校野球選手権大会の決勝戦が行われ、群馬県の前橋育英が宮崎県の延岡学園を下し、初出場にして初優勝を手にしました。

 

8月の月間MVPは、ヤクルトのウラディミール・バレンティン選手と巨人の村田修一選手がダブル受賞するという異例の事態が起きました。村田選手はセ・リーグ新記録となる月間46安打、32得点で、バレンティン選手は日本プロ野球新記録の月間17本塁打を達成しました。この月には他にも、セ・リーグ歴代2位となる月間31得点を記録し、素晴らしい成績を残したDeNAの梶谷隆幸選手がいましたが、他の二人が規格外の成績を残したため、受賞にはいたりませんでした。梶谷選手は今年から爆発的に成績を伸ばした選手で、今私が最も楽しみにしているプレイヤーです。また、楽天の田中将大投手が日本プロ野球初となるシーズン4度、4カ月連続、通算11度目の受賞となりました。9月も月間MVPを受賞しています。

 

831日、昨年の甲子園優勝投手、藤浪晋太郎選手が、セ・リーグでは46年ぶりとなる高卒新人10勝に到達しました。

 

94日ソフトバンク対日本ハム戦で、なんと日を跨ぐ6時間1分の激闘が繰り広げられました。この試合時間はパ・リーグ史上最長で、延長12回制では日本プロ野球史上最長だということです。日を跨いでの試合はパ・リーグでは初でした。今年は珍しい記録が盛りだくさんです。

 

911日のMLB、日本人メジャーリーガーの上原浩治投手が、ボストンレッドソックスの球団新記録となる34者連続アウトを達成しました。この年の上原選手は、メジャーで驚異的な成績を残すのですが、例がありすぎて文章量的にどうしようもないので割愛します……もし興味が沸いたらwikiなどでちらっと見てみて下さい。報道ではダルビッシュ選手の影に隠れてましたが、ダルビッシュ選手に劣らないほどの素晴らしい成績や記録の数々を残しています。

 

 

915日、ヤクルトのウラディミール・バレンティン選手が、第一打席で日本プロ野球新記録となる56号本塁打を放ちました。続く第二打席にも57号となるHRを放っています。王選手が1964年に55本塁打を達成して以来、約50年振りとなる記録更新で、野球の歴史が塗り変わった瞬間でもあります。ちなみに、バレンティン選手の本塁打記録は、60本まで続きます。

 

926日、楽天が西武に勝利したことで、球団創設9年目で初のリーグ優勝となりました。優勝投手は最終回に登板した田中将大投手となります。なお、この試合で西武の浅村栄斗選手が日本プロ野球史上最年少タイの23歳シーズン100打点を達成しています。

 

103日、日本ハムの二岡智宏選手が戦力外通告となりました。高橋由伸と並んで私が最も好きな選手が戦力がいツウコクを受けたコとにより、ワタシノナカノナニカガオトヲタテテクズレテイキマシタタタタ。

 

 

108日、DeNAのチーム最終戦となる対阪神戦で、今年限りで引退の小池正晃選手が、第二打席で左中間へ2ランHR、そして現役最終打席となる第四打席で決勝HRとなる一発を、涙を流しながらレフトスタンドへ放ちました。引退を決意したとき、泣く息子に、力がないから辞めないといけないと説明し、その息子の前で、格好良い父親としての、最後の晴れ姿を見せることが出来たこのエピソードには、思わず瞼に謎の汁が溜まってしまいます。個人的にはシーズン最終戦にして、今年1番の試合です。

 

 

以降はCS、日本シリーズ、そしてドラフト会議など……まだまだ多くのドラマが続きましたが、ここからは記憶に新しい(というか著者の疲弊が尋常じゃなくなってしまった)ので、これから先ずっと続く野球の歴史に託していきたいとおもいます。ゴウインデモウシワケナイ

 

 

最後の最後で上手く締まらないのですが、これで2013年の振り返りを、ひとまず終了したいと思います。やはり選択した出来事が主観的になってしまったので、流れや出来事がつかみにくかったかもしれませんが、それでも、立て続けに達成される新記録、劇的な試合の模様、そして記憶に焼き付けられるような名場面。すこしでもこのようなものが理解してもらえれば、私は嬉しいです。自分の記憶を頼りにした、ほとんど便所の落書きに等しい今年1年限りの野球史ですが、そういえばこういうことがあったなあと再確認する人、又は野球知らねえけどへえこんなことがあったんだあああと適当に流し読みする人、そんな、ちょっとでも野球に興味のある人に、少しでも今年の野球模様を伝えられればいいなあと思いながら、お別れの挨拶をしたいと思います。それでは、À bientôt!

 

 

 

 

 

流石にまとまりがなさすぎるので、そのうち改稿します。