批評会(4月19日)

支部長のぉ、狛犬でぇす。嘘です、会計の松葉です。お試し2回目となる批評会の報告をさせて頂きます。

 

今回の批評作品は森本まさとさんの『甘いコーラ』と、おてんば男さんの『ラーニングインセイン』で、いずれも新歓号掲載のものです。

 

甘いコーラ』の質問事項は「作品の雰囲気をどう感じたか」でした。質問に対しての批評は

 

甘酸っぱい青春感が出ている。

雰囲気は出ているが、浅い(タイトルのコーラを扱いきれていないのが要因)

前後で雰囲気が全く違うので、統一したほうがいい。

 

などがありました。前後で雰囲気が違うという点を指摘した人が多かったです。

その他の主な意見としては

 

前半で、主人公の性別がわかりにくいので、具体的な年齢を提示して欲しい。

表現が直接的過ぎる。特にキーワードの説明は丁寧に。

基本は大切なので、単純なことに徹するのは決して悪いことではない。

ディティールが足りない。

 

というものがありました。

 

ラーニングインセイン』の質問事項は「〈彼〉の死をどのように解釈したか教えてください」でした。一番支持を得ていた解釈として、

 

p.26下段「彼の夢枕には母親がよく立った。それは彼を孤独から救済することはできたが、雪の冷たさから救い出すことはしなかった」

p.27上段「彼は血管をちぎるような冷たい水の中へと沈む羽目になった」

p.27中段「四人組は~彼を救おうと頑張った」「彼は数時間かけて、やっとのことで救出された」「彼は心休まる眠気を感じ」

 

というキーの文章が挙げられ、これらのことを踏まえ

 

〈彼〉の中で自分を救ってくれる対象は母から四人組へと移った。そして四人組はがらがらという音と共にやってきたので、がらがらという雷鳴がなっている時に湖に飛び込めば四人組にまた会えると思った彼は入水してしまい、死んでしまった。

 

という解釈が導き出されました。他にも

 

レミングを食べる鹿はトナカイであり、冬には角が生えないオスの〈彼〉の角が痛むのは、母親の怨念である。

母親のシャーベットが雪に埋もれ、最終的には吹き飛ばされ跡形もなくなるというのは、〈彼〉の中から母親が完全に消滅したことを暗示している(作者談)。

 

などの解釈があります。

以下、作品全体としての、主な批評を上げていきます。

 

違和感を憶える文が多々あるが、その違和感を解消するための材料を文中から拾える。

一文に対する言葉の量が多い。

読者をつまずかせるのが上手。

 

なお、タイトルの文法がおかしいという意見もありましたが、色々探って欲しいからわざと間違えましたようです!雷鳴以外のがらがらの正体については、作者さんに直接聞いてみてください。

 

今回も新入生の方がたくさんいらして下さったので、全体で25人くらいいた気がしました。たくさんの人が来ると、それだけたくさんの意見が聞けるので、よろしければ今後も来てください。という前回と何も変わらない勧誘で締めて、批評会の報告を終わりにしたいと思います。

 

一応今回も編集長さんが記録してくれていた文章ファイルを置いときます。

ダウンロード
甘いコーラ
森本まさと.txt
テキスト文書 1.9 KB
ダウンロード
ラーニングインセイン
おてんば男.txt
テキスト文書 1.4 KB